長野市農業公社

農は人にあり

りんご「シナノゴールド」 山田哲章さん vol.97

平成21年11月2日掲載

長野市篠ノ井にある共和園芸農業協同組合はリンゴだけの専門農業協同組合です。昭和21年更級郡共和村に設立された共和青果物出荷組合がはじまりです。現在の組合員は350名。栽培面積は約150ha。

長野県のリンゴ栽培は明治7年から始まったといわれています。いまでは全県的に栽培されていますが、生産のほとんどは長野盆地に集中していて、津軽平野に次ぐリンゴ地帯になっています。なかでも“共和のリンゴ”は絶対的な信頼を得ています。この土地でできたリンゴだから、まずは地元の人に味わっていただきたいという生産者の基本姿勢がその信頼の根幹を支えています。何十年も前に地産地消の精神がこの土地に芽生えていたのです。

白菜 若林俊雄さん vol.96

平成21年10月26日掲載

飯綱高原で野菜づくりにはげむ若林俊雄さん。この土地を開拓して農業にとりくんだのはいまからおよそ50年前になります。今年もひとり耕した土の力をかりて、緑一面のいのちのいぶきを育みました。

若林さんはおよそ2ヘクタールの土地で、白菜のほかにキャベツ、大根、トウモロコシを栽培しています。「ことしのトウモロコシはほとんどが熊とタヌキにくれてやってしまった」と出荷できなかったくやしさを語ってくれました。その自然と共生するおおらかな姿に若林さんが開拓で流した汗と涙の歴史が重なります。

多くを語らず、その汗がしみ込む土の上で、幾度となく汗をぬぐった手で誇らしげに白菜を抱える若林さんの人生は見守り続けた飯縄山だけが知っています。

りんご「シナノスイート」 戸井田一栄さん vol.95

平成21年10月19日掲載

秋映、シナノスイート、シナノゴールドは信州で生まれた「りんご三兄弟」です。どれもが食べやすく、果汁がたっぷり。シナノスイートはその名前の通り甘くて酸味がひかえめ、スッキリとした果肉が人気です。そしてりんごらしい赤みのある風貌が健気でもあります。

長野市の東方、西斜面に広がる標高500~600m程の扇状地が山新田です。寒暖差のある気候と水はけのよい土地がりんごの味を鍛えあげます。りんご栽培有志20名が「エコピカクラブ山新田」というクラブを結成してりんご栽培の向上をめざして熱心に取り組んでいます。

会長を勤める戸井田一栄さんは60アールでシナノスイートとふじを栽培しています。「山新田のおいしいりんご」をブランドに。それが夢です。

マコモダケ 村松正親さん vol.94

平成21年10月12日掲載

マコモタケを豊野の新しい特産物にしようと村松正親さんはその栽培に取組んでいます。マコモはイネ科の多年草。マコモはどんどん分茎して1株で20~30本程度になり、その若い茎が肥大化した部分がマコモタケ。ひとつの株から5~6本のマコモタケが収穫できるそうです。村松さんは5アールの水田で1200株を作っていて2mほどに成長したマコモはいまが収穫期の真っ盛りです。手間がそれほどかからず高齢農業者に向いているそうです。

マコモタケは味は淡白でクセがなく料理法は多彩。また食物繊維が豊富で低カロリーな健康食品としても注目されています。10月末まで、豊野温泉りんごの湯農産物直売所とながの農協アグリながぬまで販売しています。

胡麻 横谷正光さん vol.93

平成21年10月5日掲載

長野市街地から西へ20kmほどにある鬼無里。北アルプス・戸隠連山の山々に囲まれ、豊かで清らかな水に恵まれた土地です。この鬼無里で昨年から「ゴマ」栽培が上平地区の横谷正光さんら数人の有志によって始まりました。横谷さんは今年は2アールでゴマを栽培しましたが、来年はもっと仲間を募り、栽培面積も増やそうと計画しています。

ゴマはごま油やすりごまとして古くから食用とされてきました。土地を選ばず、それほど手間がかからず栽培ができるそうです。いまは健康食品としても人気が高く注目されています。

秘密の扉をあける「開けゴマ」という言葉がありますが「鬼無里のゴマ」が中山間地活性化の扉を開けるかもしれません。

ハゼ掛け米 小林富男・夏子さん vol.92

平成21年9月28日掲載

小林富男さんは、生まれ古里の大岡で、自然の力を生かし、環境を汚染しない米づくりに取組んでいます。「米は水が基本」、この土地に生まれた小林さんだから持てる誇りと自信です。この土地で育てた米にぜったいの自信を持っています。

さらに米の食味、品質、栽培法の向上を図り、米の安全性を水と水田の環境を守り支えることから学ぼうと志をたて、地域の仲間とともに研究グループをたちあげました。「農業を通して仲間と一緒に学んで、挑戦して、喜びを分かち合うことができる、これがいちばんの楽しみです。稲はここ最近の好天でまずまず例年なみの出来になりました」。

美味くて安心な米「大岡清流米」。小林富男・夏子さんは笑顔で農業と向き合っています。

りんご「信濃ドルチェ」 上條英雄さん vol.91

平成21年9月21日掲載

「つがる」の出荷がそろそろ終わりかける頃に旬をむかえるのが「シナノドルチェ」です。ドルチェとはイタリア語で甘いデザートを意味する言葉で長野で生まれた新品種です。いまは長野県内のみで生産されています。形は少し縦長で見た目がきれいな赤、ほどよい酸味と甘味、シャキッとした果汁が特徴です。

「シナノドルチェ」は7年前に初めて中野市、真島町、信更町の3カ所で試作品種として導入されました。上條英雄さんはその魁です。いま上條さんは90アールのりんごを栽培していて、そのうち「シナノドルチェ」は13アール。「剪定で陽当たりさえ良くしてやればとても育てやすく、量もとれるし、病気にも強い」と上條さんは「シナノドルチェ」の将来に期待しています。

ぶどう「巨峰」 小島 誠さん vol.90

平成21年9月14日掲載

小島誠さんは豊野蟹沢でぶどう70アール、りんご100アール、水田10アールの農業に取組んでいる専業農家です。丹精こめて育てた巨峰の出荷がそろそろ始まります。

ここ蟹沢でぶどうが作られ始めたのは昭和35年ころと言われています。現在は巨峰のほかにシャインマスカット、ナガノパープルなど新種も多くなっています。

「味はお客さんがいちばんよく知っている。それはぜったいにごまかしがきかないもの。そのプレッシャーに僕らは励まされ育てられているようなものです」と語る小島さんには32才の時に「安心・安全、おいしい作物の栽培を」と誰よりもはやく声をあげて実践してきた自負があります。そして、長野市農業委員の一員として農業復興に全力で取組んでいます。

和梨「幸水」 柄澤伸一さん・たか子さん vol.89

平成21年9月7日掲載

梨は白い花を咲かせてから150日が収穫適期といわれていて、長野市赤沼にある柄澤伸一さんの62アールの農園でも梨の収穫作業がはじまりました。

柄澤さんが梨の栽培をはじめたのはいまからおよそ25年前。このあたりで大規模に梨の栽培をはじめた草分けです。梨はりんごと違って葉摘みがいらず、あったかい気候のうちに収穫が終わるのが魅力だそうです。さらに梨は甘味があり水気があり歯触りがいいのが人気のポイント。そして特に「南水」は日持ちがよく、正月ごろまで保存ができるそうです。

あたたかい日差を浴びて、ひとつひとつの梨が精いっぱいの甘い果汁をたくわえようとしています。「幸水」のあとは「豊水」「南水」と夫婦なかよく秋の実りのまっただ中です。

りんご「ツガル」 小林剛さん・隆子さん vol.88

平成21年8月31日掲載

長野市篠ノ井岡田(共和)の小林剛さんは定年後りんご栽培に本格的に取組んでいます。栽培面積は55アール。いまは「つがる」の収穫がさかんです。

長野県のリンゴ栽培は明治7年から始まったといわれています。なかでも“共和のりんご”は絶対的な信頼を得ています。この地区の共和園芸農業協同組合はリンゴだけの専門農業協同組合です。そもそもは昭和21年更級郡共和村に設立された共和青果物出荷組合がはじまりです。まずは地元の人に味わっていただきたい。その精神が信頼の根幹を支えています。何十年も前に地産地消の精神がこの土地に芽生えていたのです。

剛さんの母・と志ゑさんは89才。いまも脚立にのって“共和のりんご”の歴史をつくっています。