長野市農業公社

農は人にあり

味噌「ひとり娘」 信州新町農村女性ネットワーク 会長 中村益子さn vol.117

平成22年4月5日掲載

今年1月1日に長野市と合併した信州新町。七二会、小田切、中条をふくむこの山間地は昔から“西山”とよばれていて、信州の農村の特徴がいまなお色濃く残る美しい山里です。なかでもこの地域でとれる大豆はその品質の良さが昔から高く評価され“西山大豆”とよばれています。

以前このコーナーで中条の宮沢忠義・志津子さんが西山大豆の「種豆」を守り続けているお話を紹介しました。ともかくも人々の知恵が支えになって根気よく重ねる仕事によって西山大豆の文化が継承されています。

子どものころ、「たんと食べろ、マメたべると頭よくなるんだから」と祖母と母親がつくってくれた「ひたしまめ」の、ゆでてそのままお醤油に浸して食べるその味はいまでも忘れられません。

エノキ茸 中澤孝市・芳子さん vol.116

平成22年3月29日掲載

戸隠は神々の宿る里です。昔の人々は神さまに守られるようにして土地をひらき、精いっぱいの誠実を重ねて暮らしを紡ぎ続けてきたのでしょう。自分だけでは生きて行けない。すべてのものをお金で買うことも出来ない暮らしの中で知恵を絞り労働をいとわず、手を携えあう生活だったのでしょう。

今年還暦を迎える中澤孝市さんは7人姉弟の末っ子。父46才母42才の時の待望の男の子でした。両親の働きをみてきた孝市さんは迷い無く家の農業を継ぎました。還暦の節目に30年続けてきたエノキタケ栽培から450坪で栽培するトルコギキョウをはじめとする花卉栽培と野菜づくりに舵をきり、妻・芳子さんと励ましあえる農業を続けようとしています。

ハウス栽培 キュウリ 柳澤忠雄さん vol.115

平成22年3月22日掲載

長野市松代清野地区。柳澤忠雄さん(80歳)は300坪の農業用ハウスで1600本のキュウリを栽培しています。奥さんと二人、1月中旬に定植し、収穫が6月まで続きます。

野菜農家の高齢化でダイコン、ハクサイ、タマネギなど重たい野菜づくりが敬遠されています。また、見た目の色つや、形に一定の要求がされるため出荷に気をつかうことが多いといいます。柳澤さんも年ごとにその重労働が負担になり、続けていたトマト栽培はやめました。ビニールハウス栽培をてがける施設栽培農家は露地栽培よりはるかに労働時間が集約的です。

柳澤さんのハウスでは6月の収穫が終わると7月に2回目の定植をおこない10月いっぱいまで出荷が続きます。柳澤さん、がんばってください。

いちご(竹村製作所) 代表取締役社長 竹村國彦さん vol.114

平成22年3月15日掲載

長野県上水内郡飯綱町にある不凍水抜栓の業界最大手の竹村製作所(本社・長野市)アクアゾーン三水工場の敷地内でいちごが栽培されています。室温25度、地温20度の農業用ハウスで2500株のいちご「紅ほっぺ」がすくすくと育っています。蜂が花から花へと飛び交いまっかな大きな実りがハウスいっぱいに甘いかおりを満たしています。

竹村製作所スケート部にはバンクーバーオリンピックで活躍した新谷志保美選手が在籍しています。筑波大学で学生スプリント2年連続完全制覇など学生タイトルを総なめにした新谷さんは卒業後、竹村製作所に入り研鑽をつみ輝かしい記録を残してきました。

人が育つ会社が育てたイチゴ。さてどんな味がするのでしょう。

桃栽培 小林康夫さん vol.113

平成22年3月8日掲載

長野市篠ノ井の小林康夫さんは50代なかばの3年前から農業に取り組んでいます。かつては水産関係の仕事で日本中をとびまわっていましたが、早期退職していまは桃を中心におよそ40アールの果樹を栽培しています。研修会や交流を通して実践的な勉強を重ねて新規就農者の手本になっています。そして、将来の地域を支える農業者のひとりとして期待されています。

いま、農業をやりたいと考える人が多くなっています。なぜ人は土にもどろうとするのでしょう。自らのいのちをふたたび大地に播き、育てようとしているのでしょうか。天命によって生かされるものに自らの「いのち」を重ねようとしているのでしょうか。桃畑に二十四番花信風が春をはこんでいます。

りんご栽培 松木勇人さん vol.112

平成22年3月1日掲載

長野市浅川にあるりんご園で剪定が始まりました。園主の松木勇人さんは元美容師。5年前に父親の仕事を継いで農業経営に舵をきりました。水稲と果樹が中心の農業です。

「まだまだ新人です」と語る松木さん。わからないことは積極的に父や先輩に教えを乞い一人前のプロへの道を突き進んでいます。就農と同時にJA青年部に加入して地元の同世代の仲間との交流を深めています。祖父が農機具修理の仕事をしていることから松木さんも専門知識が豊富で地元農家から頼られて貴重な存在になっています。

29才の松木さんは3人の子どもの父親です。農業を取り巻く環境は難問山積ですが、それを乗り越え次代をになう我が子に夢を託せる希望をかなえようとしています。

平成農園 中澤基さん vol.111

平成22年2月22日掲載

中澤基さんは建設会社を経営するかたわら2007年4月農業生産法人・平成農園をたちあげました。

「平成農園は生産主である私が戦後の食糧難で体験した。お腹一杯白いご飯が食べたという強烈な思いからはじまりました。長野市北長池への転居を機に、稲作経験者と友人になり休耕田を借りて耕作してはどうか、と紹介頂いたのがきっかけで信州新町での少しの稲作経験と友人の指導によって、念願の米作りを10ha から耕作をはじめ、現在に至っております」と語る中澤さんの農業に対する姿勢はつねに「挑戦」です。その結果、平成農園特別栽培米「キヌヒカリ」が長野県原産地呼称管理制度に合格しました。

ことしは農産物流通改革に挑戦します。

いちご(ハウス長沼) 岡田敬司さん vol.110

平成22年2月15日掲載

国道18号沿いにあるアグリながぬま(長野市長沼)は平成13年にオープン以来毎日たくさんのお客さんで賑わう農産物直売所です。善光寺平で農業にはげむJA組合員がその日のとれたてを売り場に列べます。

店舗横のビニールハウスでいちごが栽培されています。ここだけで9000株のいちごが養液栽培されています。1株から8房が成長して尊いいのちを結実させます。岡田敬司さん(51)は一年前に脱サラし農業生産法人を立ち上げました。残りの人生を農業にかける意気込みは誰にも負けません。

いちごのほかにフルーツトマト、ラズベリー、マイクロトマトを栽培しています。目標は売上げ「一億円」。かなわぬ夢はありません。

芋焼酎「山姥」虫倉芋の会 宮澤申三さん・滝本勝水さん vol.109

平成22年2月8日掲載

「虫倉芋の会」は2005年に遊休農地をなくして特産品をつくろうと地元農家5人でつくられました。さっそく、鹿児島県からさつまいも・黄金千貫の苗を取り寄せて自分たちの畑に植付けて栽培をはじめました。収穫、糀つくりなどすべての作業を自分たちの手でおこないました。でんぶんと糖度のバランスのよい芋から混じりっけなしの上質な焼酎ができあがりました。味がまろやかと評判です。

アルコール度数は25度。昨年は1750本を製造しました。720ミリリットル瓶が1450円。いまは長野市との合併記念で1280円で販売しています。JAながの中条店、アグリながぬま等で販売しています。郷土の誇りである虫倉山と山姥さまの名前に願いをこめました。

大豆種の栽培、選別 宮沢忠義・志津子さん vol.108

平成22年2月1日掲載

農遊休荒廃化の防止、自給率の向上及び地産地消の推進を図るため、「小麦、大豆、そば」を長野市の奨励作物に指定しています。明治時代は大小麦と雑穀の作付け面積は水稲を上まわっていました。そのころは粉食がよく食べられていたことがわかります。資料によると明治22年には約18万石の大豆が長野県内で作られていました。長野市中条の西山地域は昔から大豆の産地でした。急斜面の畑でつくられる大豆は気候と土地の力をかりて美味い豆に成長します。

宮沢忠義・志津子さんは88才。西山大豆の「種豆」を守り続けています。根気よく選別を重ねに重ねる仕事によって西山大豆の文化が継承されています。窓辺にこぼれるやわらかな日差しが二人の仕事をねぎらっています。